FX(為替相場)の動向に関して
最新の為替相場では、米国と欧州の対比が鮮明だった。米経済指標は小売関連や製造業関連で好調な結果が相次いだ。米FOMCは前回11月の内容を踏襲する結果だったが、景気判断が若干上方修正されている。NY株式市場は年初来高値を付ける動きで、ダウ平均は2年3ヶ月ぶりの高値水準を記録している。米国債が売られて利回り上昇がドル買い圧力となった。一方、欧州はソブリンリスクが根強かった。米格付け会社がスペインなど欧州諸国の格下げの可能性を指摘、アイルランド国債の格付けは現実に引き下げられている。
欧州での会合やECBの対応などもあったが市場の評価は芳しくなかった。ポルトガルなどの債券売り圧力が広がりユーロ売りが強まる結果となった。ユーロドルは1.34台から1.31台へと下落、英銀行のアイルランド債保有が多いことが嫌気されて、ポンドも1.59台から1.55近辺へと下落した。ドル買いが広がるなかで、ドル円も83円割れ水準から84円台半ばまで上昇する場面があったが、輸出の売りなどで上値は押さえられている。クリスマス週を目前にポジション調整色も強まり、資源国通貨は総じて軟調だった。